【SDS作成ガイド】SDS 第5項「火災時の措置」適切・NGな消火剤の書き分け方
2026.04.16
SDS(安全データシート)の第5項「火災時の措置(Fire-fighting measures)」は、化学品が火災に巻き込まれた際に、安全に消火を行うための重要な情報をまとめる項目です。
■ SDS 第5項の「記載必須」は2つ(JIS Z 7253 ベース)
SDS 第5項で必ず記載しなければならないのは、次の2項目です。
- 適切な消火剤
- 使用してはならない消火剤
まずはこの2つを確実に書くことが、JISに準拠した基本条件となります。
■ 「適切な消火剤」は製品の分類・特性によって変わる
SDS 第5項の中心は、製品に適した消火剤を記載することです。
一般的に使用される消火剤としては、水スプレー・泡消火剤・粉末消火剤・CO₂(二酸化炭素)・乾燥砂などがありますが、どれが適切かは化学品の性質・GHS分類によって大きく異なります。
▼製品特性と適切な消火剤の例
- 可燃性液体 → 泡・粉末・CO₂が一般的
- 金属粉 → 乾燥砂が必要、水はNG
- 水反応性物質 → 水をかけると危険(必ずNGに記載)
つまり、ここはテンプレートでは書けず、製品ごとの燃焼特性を理解して情報を記載する必要があります。
■ 「使用してはならない消火剤」は特に重要な安全情報
誤った消火剤を使うと、火勢が強まる、爆発的反応を起こす場合があります。
▼使用禁止消火剤の例
- 水反応性物質(アルカリ金属、金属カルバイドなど) → 水厳禁
- 揮発性溶剤 → 放水で液体が飛散し危険
- 金属粉 → 水や泡で反応して水素発生の可能性
また、使用してはならない消火剤は具体的に明記することに加えて、情報がない場合でも必ず記載することが必要です。
化学品によっては、使用禁止の消火剤に関する明確な情報がない場合があります。その場合でも、SDSでは「情報がない旨を必ず明記する」必要があります。
▼記載例
使用してはならない消火剤:データなし
■ 第5項はGHS分類とは「間接的に」関係する
第4項と違い、第5項にはPフレーズがほとんど紐づきません。
ただし、GHS分類でわかる以下の特性は、第5項の記述に直接影響します。
- 引火性液体
- 可燃性固体
- 水反応性
- 自己反応性
- 自然発火性 または/および自己発熱性
- 酸化性物質
- 有機過酸化物
これらの分類は「どの消火剤が適切か/不適切か」を決定する判断材料となるため、SDS作成の際には必ずチェックします。
■ SDS 第5項の実務的な書き方(まとめ)
SDS 第5項を書く際は、以下の手順で作成すると安全で正確です。
- 製品のGHS分類を確認する(特に可燃性・反応性)
- 使用できる消火剤を明示(泡・粉末・CO₂など)
- 使用してはならない消火剤を具体的に記載
- 製品特性(揮発性、金属粉、水反応性など)に基づき内容を補正
- 必要に応じて、発生ガスや消防士の保護具も補足
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