合金素材についてSDSの提供を求められました。SDSを作成できるでしょうか? GHS分類 SDSの記載方法
構成する金属の混合物として有害性を評価して、SDSを作成することができます。
合金はGHSによる分類では、混合物と見なされます。また、混合物とは、「複数の物質で構成される反応を起こさない混合物または溶液」をいいます。従って、合金については、構成する金属の有害性を根拠に、混合物として有害性を分類して、SDSを作成することができます。液状や粉末状の製品の場合と同じです。
ただし、合金にすることによって、危険有害性に関わる特性が、元の純粋な金属から大きく変化する場合には、そのことを踏まえて有害性を評価することが望ましいと考えます。
ステンレス鋼を例に説明します。
ステンレス鋼は、鉄とクロム、ニッケルなどの合金です。鉄(CAS No.:7439-89-6)は、日本政府によるGHS分類結果が公表されていません。すなわち、鉄には標準的な危険有害性分類がありません。クロム(CAS No.:7440-47-3)は、日本政府によるGHS分類結果が公表されていて、眼刺激性:区分2B、呼吸器感作性:区分1、皮膚感作性:区分1、生殖細胞変異原性:区分2、特定標的臓器毒性(単回ばく露):区分2,3に分類されています。ニッケル(CAS No.7440-02-0)は、日本政府によるGHS分類結果が公表されていて、呼吸器感作性:区分1、皮膚感作性:区分1、発がん性:区分2、特定標的臓器毒性(単回ばく露):区分1、特定標的臓器毒性(反復ばく露):区分1に分類されています。これらの区分と各金属の含有量より、ステンレスの有害性を分類することができます。
一方で、ステンレス鋼はその名前のとおりに、非常に錆びにくい合金です。これは、ステンレス鋼の表面に薄い保護被膜が生成されるためです。保護被膜の働きにより、クロムやニッケルの人体への直接の接触は大幅に抑制されます。この影響を加味して有害性を分類することも可能です。
ステンレスメーカーのSDSを何件か確認したところ、有害性区分に該当しないとしているものと、有害性に分類しているものとがありました。
ステンレス鋼は、鉄とクロム、ニッケルなどの合金です。鉄(CAS No.:7439-89-6)は、日本政府によるGHS分類結果が公表されていません。すなわち、鉄には標準的な危険有害性分類がありません。クロム(CAS No.:7440-47-3)は、日本政府によるGHS分類結果が公表されていて、眼刺激性:区分2B、呼吸器感作性:区分1、皮膚感作性:区分1、生殖細胞変異原性:区分2、特定標的臓器毒性(単回ばく露):区分2,3に分類されています。ニッケル(CAS No.7440-02-0)は、日本政府によるGHS分類結果が公表されていて、呼吸器感作性:区分1、皮膚感作性:区分1、発がん性:区分2、特定標的臓器毒性(単回ばく露):区分1、特定標的臓器毒性(反復ばく露):区分1に分類されています。これらの区分と各金属の含有量より、ステンレスの有害性を分類することができます。
一方で、ステンレス鋼はその名前のとおりに、非常に錆びにくい合金です。これは、ステンレス鋼の表面に薄い保護被膜が生成されるためです。保護被膜の働きにより、クロムやニッケルの人体への直接の接触は大幅に抑制されます。この影響を加味して有害性を分類することも可能です。
ステンレスメーカーのSDSを何件か確認したところ、有害性区分に該当しないとしているものと、有害性に分類しているものとがありました。
SDSは、使用者に化学品の危険性を正しく判りやすく伝えることが目的です。また、そのことが会社のリスク低減に繋がると考えられます。会社として方針を決めて、SDSを作成されることをお勧めします。