よくあるご質問 FAQ

混合物の有害性は、各成分の有害性区分と含有量から機械的に決めることができるのでしょうか? GHS分類

多くの場合に成分の有害性区分と含有量の情報を使って、混合物の有害性を分類します。しかし、より合理的な方法がある場合は、そちらを使います。
GHSは化学品の危険有害性をクラス分け(分類)して、クラス毎に区分と判断基準を定めています。また、混合物の有害性は、各成分の有害性を足し合わせたものになるとの、基本的な考えに基づいて、成分の有害性と含有量から、混合物の有害性区分を定める方法を整備しています。この方法は適用範囲が広くて実用的な方法なので、多くの混合品はこの方法を使って有害性を区分します。
しかしながら、この方法が常に最善とは限りません。より合理的な方法がある場合には、その方法によることをお勧めします。

  1. 混合物自体の有害性データが利用できる場合は、そのデータを使って分類を行います。
    混合物自体の有害性データが利用できる場合は少ないのですが、皮膚刺激性などでは、比較的容易に混合物自体のデータを得られる場合があります。
  2. 強酸性、強アルカリ性の混合物は、皮膚腐食性/刺激性と重篤な眼損傷性/眼刺激性において、pH値を使って分類を行います。強酸あるいは強アルカリのものは、腐食性があると考えられます。pHが2以下あるいは11.5以上で、酸性物質またはアルカリ性物質が1%以上の場合は、皮膚腐食性:区分1、重篤な眼損傷性:区分1に分類します。
  3. 混合により成分同士が反応する場合は、原則として成分の有害性の加成方式が適用できません。アルカリ性の液に塩酸を加えて、pHを中性に調整して、製品とする場合を考えます。塩酸には、急性毒性や皮膚腐食性の有害性がありますが、この場合は塩酸の量に応じて、加成方式で製品の有害性を評価することは不適切です。
  4. 製品の物性からして、起こる可能性が無い有害性のクラスについては、分類できないとすることが適切な場合があります。
    例えば、高粘度の液体製品については、粉じんの吸入による呼吸器障害に関わる有害性を、分類できないとするほうが適切な場合があります。(但し、硬化後に研磨加工が予定されている場合などは、有害性に分類すべきです。)
  5. 成分の有害性分類の根拠が明確であり、製品がその要件を満たし得ない場合には、分類できないとすることが適切な場合があります。
    例えば、エタノールには発がん性があることが、アルコール飲料の多くの疫学的データより明らかになっています。繰り返し飲む可能性が無い製品については、エタノールの発がん性を分類できないとするほうが適切な場合があります。
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