【わかりやすく解説】SDS電子化補助金とは?~制度の背景と申請方法~
2025.09.04
1.なぜ「SDS電子化」が必要なのか?
メーカーや卸売業者は、化学物質の危険性・有害性をラベルやSDSで通知し、
受け取る企業はその情報をもとにリスクアセスメントを行い、作業者の安全を守る必要があります。
ところが現状では、SDSは 紙やPDF が中心で、更新やデータ入力の手間が大きいのが課題です。
特に川下の製造業者(最終製品を作る側)では、数百種類の原料を扱うことも多く、手作業でシステムに入力する負担が膨大になっています。
そこで国は、SDSを電子化・標準化(JSON形式) することで、システム間で自動的にやり取りできる仕組みづくりを進めています。
これにより、作業負担の大幅削減と、危険有害性情報の迅速な共有が可能になります。
2.SDS電子化補助金の概要
この流れを支援するため、厚生労働省と中災防が用意したのが 「SDS電子化補助金」 です。
対象となるシステム
補助対象となるのは、以下の機能を備えたシステムです。
- 標準フォーマット形式(JSON)での入出力機能
- 紙やPDFのSDSを読み込み、判読可能な形式に復元できる機能
- 労働安全衛生法に沿っていない場合、記入漏れをチェックする機能
つまり「SDSを標準形式で扱えるシステム」であることが必須です。
補助額
- 対象経費の1/2(上限100万円) が補助
- 新規導入費用、機能追加費用、保守費用などが対象(PC本体などハードは対象外)
- 3年分の保守費用を一括前払いした場合も対象になるのがポイントです。
3.対象となる企業
補助金の対象は、中小企業基本法で定められた中小企業 です。
例
- 製造業:資本金3億円以下 または 従業員300人以下
- 卸売業:資本金1億円以下 または 従業員100人以下
- 小売業:資本金5,000万円以下 または 従業員50人以下
また、医療法人やNPO法人など資本金がない法人も、従業員数で判定されます。
4.申請から支給までの流れ
申請はすべて 電子申請システム「jGrants」 から行います。
流れは以下の通りです。
- 事前準備
- GビズIDの取得
- 見積書や労働保険料納付証明書の準備
- 交付申請
- 令和7年8月1日~11月30日(予定)
- 書類を揃えて電子申請
- 交付決定(審査:約1か月)
- 事業実施
- システム導入、支払い、領収書の準備
- 支給申請
- 令和8年2月20日必着
- 書類を揃えて電子申請
- 支給決定・振込(審査:約1か月)
5.提出書類について
- 交付申請時:申請書(Excel様式)、見積書、誓約書、役員名簿、労働保険料納付証明書など
- 支給申請時:請求書、納品書・領収書、売買契約書の写し、システム導入チェックシート(システム提供会社記入)など
すべて jGrantsにアップロード して提出します。
6.GHS Assistantは対象となるのか?
対象となるべく開発をしておりますが、SDS電子化補助金の制度自体が新しいため、
精緻な条件を審査時に確認されるかが未知であることは確かです。
GHS Assistantは20年以上の実績あるツールのため、現顧客への影響も含め開発を進めているため、少しお時間を要する可能性もあります。
進展がありましたら、最新情報をご案内します。