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SDS(MSDS)作成に関する基礎知識

  • SDSの基本

    SDS(MSDS)とは

    SDS(Safety Data Sheet : 安全データシート)とは、有害性のおそれがある化学物質を含む製品を他の事業者に提供する際に、その製品の性状や取り扱いに関する情報を提供するための文書です。
    SDSは、化学物質を扱う全ての人に危険有害性に関する情報を提供することを目的としています。
    日本でSDSの作成を義務付けている法律は、「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」「労働安全衛生法」及び「毒物及び劇物取締法」の3つです。「JIS Z 7253:GHSに基づく化学品の危険有害性情報の伝達方法-ラベル,作業場内の表示及び安全データシート(SDS)」に従えば、GHSと3法に準拠したSDSを作成することができます。
    SDSは、「MSDS (Material Safety Data Sheet : 化学物質等安全データシート)」と呼ばれていましたが、現在はGHSで定義されている「SDS」に統一されています。

  • SDSの基本

    SDSとMSDSの違いを教えてください。

    同じものです。
    以前は、MSDS(Material Safety Data Sheet)と言っていました。今は世界的にSDS(Safety Data Sheet)と言う名称に統一されています。
    日本では、GHSに対応した法令や規格が整備された2012年以降、SDSと呼ばれるようになりました。

  • SDSの基本SDSの記載方法日本法規

    GHSには法的な拘束力があるのですか?

    GHSには法的な拘束力はありません。参加国が整備する国内法が法的な根拠となります。SDSの枠組みはGHSが規格化していますが、実行は各国の法令に基づいて行われます。日本では、SDSの根拠となる法律(提供を義務付けている法律)は、以下の三つです。

    • 化管法(特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律)
    • 安衛法(労働安全衛生法)
    • 毒劇法(毒物及び劇物取締法)
  • SDSの基本SDSの記載方法日本法規

    化管法の指定化学物質や、安衛法の対象物質を含んでいるものは、どんな製品であってもSDSの提供が必要なのでしょうか?

    化管法と安衛法には、SDSの提供をしなくても良い製品があります。
    毒劇法では指定量の該当物質を含んでいても毒劇物に該当しない(「製剤」とはみなされない)ものがあります。また、毒劇物非該当となる濃度裾切値が設定されている場合もあります。

    化管法

    指定物質を含んでいても、SDSを提供しなくでもよい製品があります。

    1. 指定化学物質の含有率が1%未満(特定第一種指定化学物質の場合は0.1%未満)の製品
      (注意)金属化合物のように、指定化学物質としての含有率を金属元素あたりの値に換算すべき物質もあります。
    2. 固形物(事業者による取扱いの過程において固体以外の状態にならず、かつ、粉状又は粒状にならない製品)例:管、板、組立部品等
    3. 密封された状態で取り扱われる製品例:コンデンサー、乾電池等
    4. 主として一般の消費者の生活の用に供される製品 例:家庭用殺虫剤・防虫剤、家庭用洗剤等
    5. 再生資源 例:空き缶、金属くず等

    安衛法

    対象物質を含んでいても、SDSを提供しなくてもよい製品があります。

    • 対象物質の含有量が、対象となる値未満の場合
    • 主として一般消費者の生活の用に供するための製品
    1. 医薬品医療機器等法に定められている医薬品、医薬部外品、化粧品
    2. 農薬取締法に定められている農薬
    3. 労働者による取扱いの過程で固体以外の状態にならず、かつ、粉状または粒状にならない製品
    4. 対象物が密封された状態で取り扱われる製品(電池など)
    5. 一般消費者のもとに提供される段階の食品(お酒など)※ただし、労働者が表示対象物にばく露するおそれのある作業が予定されるものについては適用除外となりません。

    毒劇法

    毒劇法では、毒物/劇物に該当する成分を含有する「製剤」が、毒物または劇物に指定されている場合があります。 ただし、以下のものは一般的には「製剤」とはみなされません。

    1. 器具、機器、用具といった概念でとらえられるもの
    2. 使用済みの廃液等、廃棄されたもの
    3. 毒物又は劇物を不純物として含有しているもの
  • SDSの記載方法

    含有量が0.1%未満の微量成分についても、SDSに記載が必要でしょうか?

    強い水生環境有害性を有する成分などでは、含有量が0.1%未満でもSDSに記載が必要な場合があります。また、有害な成分がごく微量であっても法規制に該当する場合があります。

    混合物の健康有害性と環境有害性は、多くの場合、製品を構成する各成分の有害性情報を使って分類を行います。このとき、濃度限界値よりも含有量が高い成分が、製品の有害性評価に影響することになります。

    濃度限界値はクラス毎に異なっていますが、最も低い濃度限界値が0.1%です。このために、多くの場合0.1%未満の成分は、製品の有害性に影響しないことになります。

    SDSでは適切な企業機密の保護が認められていますので、危険有害性に影響しない成分情報を記載する必要はありません。以上より、多くの場合に、0.1%未満の微量成分はSDSに記載する必要が無いことになります。

    ただし、濃度限界以下でも有害であることが明白な場合は、その情報に基づいて有害性を分類することが必要です。この場合は、0.1%未満であっても成分情報の記載が必要となります。例えば、ごく微量で水生生物に有害な物質は、0.1%未満でも成分情報の記載が必要です。
    また、法規制によっては、濃度限界が定められていない場合があります。例えば、毒劇法政令第2条1項17号は「塩化第一水銀を含有する製剤」であり、これは劇物です。ここで「製剤」とは、塩化第一水銀を含むものを意味します。意図的に塩化第一水銀を含ませた製品は、その含有量に関わらず、劇物になり、SDSに成分表示が必要となります。

  • SDSの記載方法海外向けSDS

    米国に輸出する製品のSDSは、国内向けのSDSを英語に翻訳すればよいのでしょうか?

    米国法規に基づく英文SDSを新規に作成することをお勧めします。
    二つの理由があります。

    1. 国によって、SDS関連法規の内容が異なっているから。
    2. 国によって、危険有害性分類の根拠となる、GHS分類結果つき危険有害性化学物質のリストがことなるから。

    補足説明

    1. 国によって、SDS関連法規の内容が異なっているから。

    SDSの枠組みはGHSが規格化していますが、実行は各国の法令に基づいて行われます。各国はGHSを尊重して法規制を定めていますが、その内容は国によって異なります。
    SDSに関わる法規制が異なる理由

    • GHSが規格の細部に選択肢(一部の健康有害性に関する濃度裾切値、およびGHS分類区分の選択的対応(Building Block Approach)を設けていて、参加国により選択が異なるから。)
    • GHSは2年ごとに改定されるが、参加国が法規制を制定する際に根拠とした版数が異なるから。
    • 参加国が、自国の状況を踏まえてGHSに無い規定を追加しているから。
    2. 国によって、危険有害性分類の根拠となる、GHS分類結果つき危険有害性化学物質のリストがことなるから。

    GHSでは危険有害性分類の根拠となるデータは、製品の供給者が選ぶことになっていますが、各供給者が膨大な文献データを調査することは多くの場合困難です。そこで、各国政府は代表的な危険有害性化学物質についてGHS分類結果つきの危険有害性の分類区分リストを作成して公表しています。
    主なリストは次の通りです。

    このほかにもリストの整備を進めている国がありますが、実用レベルに至っている国は少ないと考えられます。
    日本では、日本のリストにより危険有害性を分類してSDSを作成することが標準的であり、供給者にとってリスクの少ない方法です。
    米国では、EUのリスト(米国は独自リストを作成していません)により危険有害性を分類してSDSを作成することが標準的であり、供給者にとってリスクの少ない方法です。

    以上で説明したように、日本語のSDSを英語に直訳しても、米国の適切なSDSになるとは限りません。輸出の相手先から、英語あるいは現地語のSDSの提供を求められた場合には、相手先の法規制を踏まえて、適切なSDSを提供することが重要です。

  • SDSの記載方法日本法規

    成形品についてSDSの提供を求められました。成形品についてもSDSを提供しなければならないのでしょうか?

    成形品については多くの場合SDSを提供する義務は無いと考えられます。SDSを提供する場合は、方針を決めてSDSを作成することが重要です。

    SDSは元々、危険有害な化学品を対象とする文書です。しかしながら、化学品の定義は必ずしも明確ではありません。日本でSDSの提供を義務付けいている3つの法律(化管法、安衛法、毒劇法)では、つぎのように取り扱われており、多くの成形品についてSDS提供の義務は無いと考えらえます。

    • 化管法:指定物質を含んでいても、SDSを提供しなくでもよい製品に「固形物」が含まれています。「固形物(事業者による取扱いの過程において固体以外の状態にならず、かつ、粉状又は粒状にならない製品)例:管、板、組立部品等」
    • 安衛法:対象物質を含んでいても、SDSを提供しなくてもよい製品に、つぎのものが含まれています。「労働者による取扱いの過程で固体以外の状態にならず、かつ、粉状または粒状にならない製品」
    • 毒劇法:該当物質を含む「製剤」で毒物/劇物に該当するものがありますが、「器具、機器、用具といった概念でとらえられるもの」は「製剤」とはみなされません。

    このことより、形自体が機能を有する「成形品」には、多くの場合SDSを提供する義務は無いと考えられます。
    一方で、危険有害な化学品ではないことを確認するために、法的にはSDS提供の義務の無い製品についても、提供を求められるケースが増えています。成形品の場合は、液体や粉体の場合よりも、SDSの書き方の幅が広くなります。会社として方針を決めて、SDSを作成し提供することが重要と考えます。

    成形品のSDSについて考え方の一例を示します。

    • 前提1:製品は成形品であり、通常の使用においては化学品としての危険有害性が無いものである。
    • 前提2:成形品は、危険有害性情報がある成分を含んでいる。誤使用や、想定外の加工により有害なばく露を引き起こす可能性がある。
    • 方針1:製品は成形品であり、正常な使用においては、化学品としての危険有害性を示さないことを記載する。
    • 方針2:製品は有害な成分を含むために、事故や誤使用において、有害なばく露を引き起こす可能性がある。
    • 方針3:事故や誤使用によるばく露の可能性を踏まえて、製品を混合物と見なして、有害性を評価し、SDSに記載する。
    • 方針4:製品の危険有害性に影響する成分について、適切に成分情報を記載する。
    • 方針5:注意事項に「事故などで製品の粉じんにばく露した場合」などの条件を付記する。
    • 方針6:正常な製品として記載すべき項目(国連番号、漏出時の措置など)については、製品としての記載を行う。
  • SDSの記載方法

    油性塗料を製造しています。各色80種の品番があります。色別に80件のSDSが必要でしょうか?

    成分と危険有害性が似ている製品をまとめてSDSを作成して、件数を減らせる可能性が高いと考えられます。

    成分が類似していて、危険有害性も同レベルの製品については、複数の製品をまとめたSDSが作成されることがあります。
    基本組成が同じで顔料が異なる塗料が、その典型的な例です。
    溶剤、ポリマー、安定化剤が同じで、顔料の配合比が異なる複数の製品があって、顔料に有害性情報が無いとします。
    これらの製品は、成分が良く似た製品で、危険有害性も同レベルと考えられます。
    この場合は、各製品から成分ごとにもっとも含量の高い数値を選び出して、その数値の組合せで有害性を評価することで、複数の製品をカバーする適切なSDSを作成することができます。
    例えば、次のようにします。

    成分名 製品A 製品B 評価用含量
    溶剤 50% 45% 50%
    ポリマー 10% 8% 10%
    赤色顔料 20% 25% 25%
    白色顔料 10% 2% 10%
    青色顔料 10% 20% 20%
    合計 100% 100% 115%
  • SDSの記載方法

    合金製の成形品を出荷してしています。この製品は相手先で研磨加工されることになっています。どのようなSDSを作成するのが良いでしょう?

    研磨時に粉じんが発生すると予想されます。合金成分の混合物として有害性を評価してSDSを作成することをお勧めします。多くの場合、合金製の成形品には化学的な危険有害性は無いと(あっても弱いと)考えられます。法的にもSDS提供の義務は無い場合が殆どと考えられます。
    しかしながら、使用者に化学品の危険有害性を伝えるというSDSの目的を考慮すると、加工時に発生すると予測される合金粉じんについて、危険有害性を評価してSDSを作成し、提供することが好ましいと考えられます。
    GHSでは、合金は混合物と見なされることになっています。構成金属のデータを使って、合金粉末の有害性区分を評価することが可能です。

    作成のポイント

    • 製品は成形品であり、それ自体は、化学品としての危険有害性を示さないことを記載する。
    • 加工で粉じんが発生するので、粉じんの有害性を評価したことを、SDSに記載する。
    • 危険有害性に影響する成分について、成分情報を記載する。
    • 注意事項に「加工時に発生する粉じんにばく露した場合」などの条件を付記する。
    • 成形品として記載すべき項目(国連番号、保管条件など)については、成形品としての記載を行う。
  • SDSの記載方法

    SDSを初めて作成することになりました。作成のフローを教えて下さい。

    次の手順で作成するのが良いと考えます。

    1. 製品の物性情報に基づいて、物理化学的危険性を分類します。
    2. 成分情報に基づいて、健康有害性と環境有害性を分類します。
    3. 成分情報に基づいて、管理指標(管理濃度、許容濃度など)を調べます。
    4. 分類した危険有害性情報と、製品についてのその他の知見に基づいて、注意事項などを選びます。
    5. 物性情報と成分情報に基づいて、該当する法規を調べます。
    6. 以上をまとめて所定の書式の文書を作成します。

    補足説明

    1. 製品の物性情報に基づいて、物理化学的危険性を分類区分します。
    • 物理化学的危険性は、製品自体の物性情報(実測値または文献値)に基づいて区分を行います。原則として、成分情報から物理化学的危険性を区分することはできません。
    • 一般的な製品が該当する可能性の高い物理化学的危険性のクラスは、引火性液体と金属腐食性物質です。引火点(引火点が低い場合は初留点も)とpHを調べておくことが重要です。不明の場合は実測が必要です。

    2. 成分情報に基づいて、健康有害性と環境有害性を分類区分します。

    • 皮膚/眼の刺激性の評価では、製品のpHも区分に影響します。誤えん有害性の評価では、製品の動粘性率も区分に影響します。

    3. 成分情報に基づいて、管理指標(管理濃度、許容濃度など)を調べます。

    • 管理濃度は労働安全衛生法の作業環境評価基準で定められています。
    • 許容濃度は日本産衛学会が公表しています。

    4.分類した危険有害性情報と、製品についてのその他の知見に基づいて、注意事項などを選びます。

    • 注意事項などには、標準の文言がきまっているものがあります。標準の文言の多くは、危険有害性の区分にひも付けられています。標準の文言とひも付けは、JIS Z 7253で規定されています。
    • SDSで広く採用されている文言を使うと、判りやすいSDSになります。

    5.物性情報と成分情報に基づいて、該当する法規を調べます。

    • 化管法、安衛法、毒劇法がSDSの提供を義務付けている法律です。
      次に該当する場合は、SDSに記載が必要です。
      • 化管法「指定化学物質」
      • 安衛法「名称等を表示し、又は通知すべき危険物及び有害物」
      • 毒劇法「毒物または劇物」
    • その他の化学物質の管理にとって重要な法律情報の記載をお勧めします。
      以下が、主なものです。
      • 消防法の危険物または指定可燃物
      • 安衛法の特定化学物質、有機溶剤等
      • 化審法の特定化学物質、監視化学物質、優先評価物質

    6.以上をまとめて所定の書式の文書を作成します。

    • SDSの様式、記載事項はJIS Z 7253に規定されています。
  • SDSの記載方法

    小学校向け実験キット(理科教材)を販売しています。内容は、ポリ容器に小分けしたクエン酸と重曹の1%水溶液です。SDSの提供は必要でしょうか?

    法的にはSDS提供の義務はないと考えます。事業への影響やCSRの観点から、提供の必要性をご検討下さい。
    クエン酸と重曹は日本政府によるGHS分類結果が公表されていません。また、化管法、安衛法、毒劇法にも該当しません。(2020年6月)
    したがってこの製品には、SDS提供の法的義務はないと考えます。(念のため、pHを確認してください。pHが2以下あるいは11.5以上の場合は、皮膚/眼の刺激性区分に該当します。)
    しかしながら、法的義務の無い製品についてもSDSの提供を求められるケースが増えています。また、子供が使用する製品では、危険有害性情報の重要性はより高いと考えられます。SDSの作成と提供については、事業への影響やCSR(企業の社会的責任)の観点から、ご判断頂くことをお勧めします。

  • SDSの基本SDSの記載方法日本法規

    製品に変更が無い場合にも、SDSの改訂が必要でしょうか?

    法改正により記載内容が変わる場合は、SDSの改訂が必要です。
    化学物質の政府によるGHS分類は継続的にデータが追加修正されていますので、製品の危険有害性の分類結果が変わる場合があります。
    日本でSDSの提供を義務付けている法律は、化管法、毒劇法、安衛法の3つの法律です。
    これらの法律は、通知事項(≒SDS記載内容)の変更を、速やかに通知することを求めています。例えば、安衛法はSDSの改定について次のように規定しています。
    通知対象物を譲渡し、又は提供する者は、前項の規定により通知した事項に変更を行う必要が生じたときは、文書の交付その他厚生労働省令で定める方法により、変更後の同項各号の事項を、速やかに、譲渡し、又は提供した相手方に通知するよう努めなければならない。
    政府によるGHS分類結果(NITEリスト)は毎年100をこえる物質が新規追加・見直しされ、更新さています。
    製品の有害性を分類する根拠データとして、国内では日本政府によるGHS分類結果を使用します。根拠データが変われば、製品の有害性分類に影響する可能性があります。
    有害性分類はリスクアセスメント措置に影響を及ぼす可能性があります。利用可能となった場合、遅滞なくSDSを更新し、川下ユーザーに提供する必要があります。
    海外では、これら新たな情報が得られていなくとも、定期的に見直すことが要求される国もあります。
    日本でも、改訂の必要性が認識されるようになってきていますので、会社リスク回避の観点から、定期的な見直し・改訂をお勧めします。

  • SDSの記載方法

    SDSに文書管理番号は必要でしょうか?

    必須とされてはいませんが、SDSに文書管理番号を付けて管理することを強くお勧めします。
    ISO9000などのシステムの運用では、文書に管理番号を付けて管理することが一般的です。
    文書管理番号を付けることにより、管理がしやすくなり、誤使用の防止が容易になります。
    化学製品を使用する際に、違う製品のSDSを参照すると、大きな事故の原因となりかねません。
    SDSでは、ラベル表示に完全に一致した製品名を記載することが求められています。
    しかしながら、SDSが増えてくると、製品名だけで文書管理を行うことは容易ではありません。
    製品番号や改訂版番号などを組合わせた文書管理番号を付けて管理することをお勧めします。

  • SDSの記載方法

    SDSに記載する会社情報は、どの会社の情報を記載するのでしょうか?

    SDSには、供給者(製品を提供する会社)の会社情報を記載します。
    SDSは化学製品の提供に合わせて相手先に提供することになっています。
    この製品を提供する者を供給者(サプライヤー)と言い、SDSには供給者の会社情報を記載します。製品の所有権を有する者が供給者となります。運送業者や、売買に直接関わらない仲介業者は供給者とはなりません。

    化学製品が製造業者から、卸売業者を経て、小売業者に販売されていく場合について説明します。

    製品の流れ:製造業者① -(販売A)→ 卸売業者② -(販売B)→ 小売業者③

    • 販売Aにおいては、製造業者①が供給者となります。①は供給者として①の会社情報を記載したSDSを卸売業者②に提供します。
    • 販売Bにおいては、卸売業者②が供給者となります。②は供給者として②の会社情報を記載したSDSを小売業者③に提供します。

    製造業者は製品の詳細な情報を知っているので、適切なSDSを作成することができます。
    これに対して、製品の詳細を知らない卸売業者は、適切なSDSを作成することが困難です。
    この場合は、製造業者から入手したSDSの会社情報の部分を、卸売業者の情報に書き換えてSDSを作成できます。
    ただし、入手したSDSに疑問点がある場合には、製造業者に確認し必要に応じて修正を求めるなどの対応が必要です。
    また、供給者情報に加えて、製造業者の会社情報(社名、住所など)をSDSに記載することも可能です。

  • SDSの記載方法

    メーカーから購入した製品を、小容量の容器に小分けして販売する予定です。
    メーカーから入手したSDSを、そのまま使うことができるでしょうか?

    製品名と供給者情報の修正が必要です。
    さらに、推奨用途と注意事項を確認して、必要に応じて修正することをお勧めします。
    SDSでは、容器に表示する製品名と同じ名称をSDSに記載することになっています。
    また、会社情報は、供給者(≒販売者)の情報を記載することになっています。
    従って、製品名と会社情報の修正が必要となります。

    SDSに記載する危険有害性の区分は、製品量の多少により変わることはありません。
    メーカーから入手したSDSの記載の大部分は、そのまま使用できると考えられます。
    しかしながら、注意すべきことがらは、用途や使用量、使用環境の影響を受けて変化します。
    まず推奨用途を確認して、必要に応じて修正することをお勧めします。
    次に、用途を想定しながらSDSの注意事項を確認して、必要に応じて追加することが重要です。
    例えば小分け製品が一般家庭用なら、「子供の手の届かないところに保管すること」という注意書きなどです。

  • SDSの記載方法

    推奨用途には何を記載すれば良いのでしょうか?これから新用途を開拓していく計画です。

    製品の特性を踏まえて、想定される用途を記載することをお勧めします。複数の用途を列挙できます。
    JISには「化学品の推奨用途及び使用上の制限を記載することが望ましい。」と記載されています。
    化学製品には、様々な特性があるために、色々な使い方ができます。しかしながら、使い方によっては、大きな事故を引き起こす可能性もあります。供給者が、危険性や有害性も含めた製品特性の知見に基づいて、適切な用途を示すことは、不適切な使用による事故の防止に繋がります。
    事故の防止に役立つ(その結果として会社のリスク低減に役立つ)ので、推奨用途を空欄にしないで、記載することをお勧めします。
    また、製品の本質や特性を併記することも、不適切な使用の防止に役立ちます。

  • SDSの記載方法海外向けSDS

    緊急連絡先電話番号は、記載しなければならないのでしょうか?

    緊急連絡先電話番号を記載することをお勧めします。
    24時間対応できる緊急連絡先電話番号の記載を義務付けている国もあります。
    緊急連絡先電話番号は、緊急時に適切に対応できることが重要です。
    緊急連絡電話は、24時間無休の対応が基本です。時間的な制限がある場合には、制限の内容を具体的に併記すべきです(例えば「月曜~金曜、午前9時~午後5時」など)。
    緊急の問合せに対応できるなら、緊急連絡先電話番号と通常の電話番号と同じ番号で差し支えありません。
    緊急連絡が可能な電話番号を判りやすく示すために、通常の電話番号と緊急連絡先電話番号が同じ場合にも、緊急連絡先電話番号の記載をお勧めします。

    GHSは、全てのSDSへの「緊急連絡先電話番号」記載を強く推奨しています。
    国によっては、緊急連絡先電話番号の記載が義務化されていたり、要件が強化されている場合があります。

    1. 日本

      JISに「緊急連絡先についても記載することが望ましい。」と記載されています。

    2. EU

      EUのSDSガイダンスは、時間制限がある場合はその旨を示すことを要請しています。
      ガイダンスに時間制限の記載例(↓)が示されています。

      • Only available during office hours.
      • Only available during the following office hours: xx - xx
    3. 中国

      中国の指針は、24時間対応可能な緊急連絡先電話番号の記載を求めています。
      中国語で24時間無休で対応できる緊急連絡先電話番号の記載が必要と考えられます。
      社内で対応が困難な場合は、協業先の協力を得る方法や、代行業者の利用が可能です。

  • GHS分類

    SDSに記載する危険有害性の種類について教えて下さい。

    GHSは化学品の危険有害性の分類について定めています。
    大きく3つのグループに分かれ、その中でクラス分けされています。
    「物理化学的危険性(17クラス)」「健康に関する有害性(10クラス)」「環境に対する有害性(2クラス)」
    SDSは、これらの危険有害性クラスの分類結果を記載します。
    GHSは、化学品の危険有害性の分類と表示についての国際的な枠組みです。
    GHSは、危険有害性をクラス(種類)分けして、各クラスについて区分(危険有害性の程度)を定義づけし、その評価基準を定めています。
    GHSは、2年ごとに改訂されるために、危険有害性のクラス分けや名称が変更されることがあります。
    以下、GHS改訂6版(JIS Z 7252 : 2019)に沿って説明します。

    1. 物理化学的危険性は、爆発、燃焼、高圧、酸化、腐食など物理化学的な危険性のグループです。次の17クラスに分かれています。
      • 爆発物
      • 可燃性ガス(自然発火性ガス、化学的に不安定なガスを含む)
      • エアゾール
      • 酸化性ガス
      • 高圧ガス
      • 引火性液体
      • 可燃性固体
      • 自己反応性化学品
      • 自然発火性液体
      • 自然発火性固体
      • 自己発熱性化学品
      • 水反応可燃性化学品
      • 酸化性液体
      • 酸化性固体
      • 有機過酸化物
      • 金属腐食性化学品
      • 鈍性化爆発物

      物理化学的危険性は、通常は化学製品の成分情報に基づいて分類することができません。
      製品自体の物性情報に基づいて分類します。

    2. 健康有害性は、急性毒性、発がん性などヒトの健康に対する有害性のグループです。次の10クラスに分かれています。
      • 急性毒性
      • 皮膚腐食性/刺激性
      • 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性
      • 呼吸器感作性または皮膚感作性
      • 生殖細胞変異原性
      • 発がん性
      • 生殖毒性
      • 特定標的臓器毒性(単回ばく露)
      • 特定標的臓器毒性(反復ばく露)
      • 誤えん有害性

      製品自体の健康有害性の情報が利用できない場合には、成分情報(各成分の健康有害性と含有量)を使って、製品の健康有害性を分類します。

    3. 環境有害性には、水性環境有害性とオゾン層への有害性の二つのクラスがあります。
      製品自体の環境有害性の情報が利用できない場合には、成分情報(各成分の環境有害性と含有量)を使って、製品の環境有害性を分類します。
      以上より、多くの場合、次の情報があれば適切なSDSの作成が可能となります。
      • 爆発性、引火性、腐食性などの物理化学的危険性に関わる、製品自体の物理的性質。
      • 製品を構成する全成分のCAS番号と含有量。
  • GHS分類

    GHSシンボルマークは何種類ありますか、またどのように使いますか。

    GHSは、9種類の絵表示(Pictograms)を決めています。製品の危険有害性の区分に応じて、容器に表示し、SDSに記載します。
    GHSでは、9種の絵表示が決められています。絵表示は、複数の危険有害性のクラスに対応しています。
    絵表示に正式な名称はありません。
    絵表示は、危険有害性のタイプを象徴するデザインになっています。
    絵表示は、化学製品の危険有害性を判りやすく伝えます。ラベルやSDSの重要な要素です。

    以下に、絵表示と危険有害性クラスの対応を示します。
    (危険有害性が低めの区分では、絵表示を使用しない場合があります)

    炎
    • 可燃性(区分1)
    • 自然発火性ガス
    • エアゾール(区分1、区分2)
    • 引火性液体(区分1~3)
    • 可燃性固体
    • 自己反応性化学品(タイプB~F)
    • 自然発火性液体
    • 自然発火性固体
    • 自己発熱性化学品
    • 水反応可燃性化学品
    • 有機過酸化物(タイプB~F)
    • 鈍性化爆発物

    製品自体の燃焼危険性を示します。

    円上の炎 円上の炎
    • 酸化性ガス
    • 酸化性液体
    • 酸化性固体

    製品自体は燃焼しないが、他の物の燃焼危険性を高めることを示します。

    爆発 爆発
    • 爆発物(不安定爆発物、等級1.1~1.4)
    • 自己反応性化学品(タイプA、B)
    • 有機過酸化物(タイプA、B)

    爆発危険性を示します。

    腐食性 腐食性
    • 金属腐食性化学品
    • 皮膚腐食性
    • 眼に対する重篤な損傷性

    金属または人体に対する腐食性を示します。

    ガスボンベ ガスボンベ
    • 高圧ガス
    どくろ どくろ
    • 急性毒性(区分1~区分3)
    感嘆符 感嘆符
    • 急性毒性(区分4)
    • 皮膚刺激性(区分2)
    • 眼刺激性(区分2/2A)
    • 皮膚感作性
    • 特定標的臓器毒性(単回ばく露)(区分3)
    • オゾン層への有害性
    環境 環境
    • 水生環境有害性(短期(急性)区分1、長期(慢性)区分1、区分2)
    健康有害性 健康有害性
    • 呼吸器感作性
    • 生殖細胞変異原性
    • 発がん性
    • 生殖毒性(区分1、区分2)
    • 特定標的臓器毒性(単回ばく露)(区分1、区分2)
    • 特定標的臓器毒性(反復ばく露)(区分1、区分2)
    • 誤えん有害性

    絵表示は国連のWEBサイトからダウンロードできます。
    http://www.unece.org/trans/danger/publi/ghs/pictograms.html

  • SDSの記載方法GHS分類海外向けSDS

    GHS絵表示(シンボルマーク)の表示順序はきまっているのでしょうか?

    表示の順序は決められていません。重要性の高い絵表示を目立つ位置に表示することをお勧めします。
    JIS Z 7253には、絵表示の表示順についての記載はありません。
    中央官庁が公表しているマニュアルや、業界団体が公開している手引きに記載されているラベル例において、絵表示の順は一定していません。
    以上より、少なくとも日本では、絵表示の並び順は決められていないと考えられます。
    cf.中国の「化学品安全ラベル編纂規定(GB15258-2009)」(=ラベル作成規定)では、絵表示の表示について「4.2.9.1 象形図先後順序」が定められています。
    記載内容からこの「先後」は、優先順のことであり、表示順では無いと考えられます。しかし、中国語の「先後」は、日本語の「前後」とほぼ同じ意味を表します。そのために、中国では絵表示の並び順が決められていると理解されている可能性があります。

  • GHS分類

    SDSの赤色の菱形で囲まれたマークに、感嘆符<!>があります。これは「注意」を表しているのですか?

    SDSやラベルの感嘆符!は、特定の有害性区分の製品に表示します。注意を喚起するものではありません。
    感嘆符!は、炎炎やドクロどくろと異なり具体的なイメージを呼び起こしません。
    また、△に!の記号が「注意喚起」の目的で広く使用されているために、SDSの感嘆符!も注意喚起を表すと誤解されることがあります。(SDSでは注意喚起の記号は使用しません)
    GHSでは、感嘆符!は次の有害性について表示することになっています。

    • 急性毒性(区分4)
    • 皮膚刺激性(区分2)
    • 眼刺激性(区分2/2A)
    • 皮膚感作性
    • 特定標的臓器毒性(単回ばく露)(区分3)
    • オゾン層への有害性

    これらの有害性は、比較的重大性緊急性の低いものですが、感嘆符!は有害性が重大でない(あるいは緊急でない)ことを、表すものではありません。
    製品が「GHS区分に該当しない」場合は、SDSに◇で囲まれた絵表示は表示されません。

  • GHS分類

    SDSに記載する危険有害性の区分はどのようにして決めるのですか?

    物理化学的危険性は、多くの場合製品自体の特性値を根拠に区分を決めます。
    健康有害性と環境有害性は、多くの場合製品を構成する成分の情報(成分の有害性と含有量)を根拠に区分を決めます
    爆発物や引火性液体などの物理化学的危険性は、多くの場合 製品自体の特性を根拠に、危険性のクラスごとに定められた「判定論理」に基づいて、区分を決めます。物理化学的危険性の区分分けを、製品自体の特性を根拠にするのは、次のことが関係していると推測されます。

    • 該当する危険性のクラスを特定しやすい。
    • 判定論理に用いる特性値の測定が比較的容易である。
    • 成分情報を用いて製品の特性予測が困難な場合が多い。

    cf.酸化性ガスについては、JISに「ISOに規定された試験又は計算方法を実施する旨」が記載されていますが、このように成分情報から製品の危険性分類を決める場合は少数です。

    急性毒性や発がん性などの健康有害性と、水生環境有害性などの環境有害性は、製品自体のデータを用いる「判定論理」の他に、製品(混合物)の成分情報を利用する「判定論理」が設けられています。多くの場合、成分情報を利用する「判定論理」が用いられます。健康有害性と環境有害性の区分分けが、成分情報を根拠に行われるのは、次のことが関係していると推測されます。

    • 該当する有害性のクラスが明確で無い。(どのような有害性があるか予測困難)
    • 判定論理の評価に長時間と多くの労力を有する。
    • 製品(混合物)の有害性は、成分の有害性の合計と見なすことに一定の妥当性がある。

    成分情報を使って有害性の区分をきめる場合は、各成分の含有量に対応する有害性を加えることになります。含有量が少ない成分は、製品の有害性への影響が小さくなります。

    有害性分類の根拠となるデータは、供給者が選ぶことになっていますが、一事業者が膨大な文献データを調査することは多くの場合困難です。各国政府は代表的な危険有害性化学物質について危険有害性の分類リストを作成して公表しています。 日本では、日本政府によるGHS分類結果(NITEにより公開されています)を使用することが標準的であり、リスクの少ない方法です。

  • GHS分類

    受け取ったSDSの2章「危険有害性の要約」に、「臓器の障害」および「臓器の障害のおそれ」と記載されていました。この二つはどのように違うのですか?

    どちらも特定標的臓器毒性(単回ばく露)に使う危険有害性の文言です。区分1の場合に「臓器の障害」と、区分2の場合に「臓器の障害のおそれ」と記載します。
    SDSでは、規格で定められた「危険有害性の文言」を記載することになっています。「危険性の文言」には、末尾に「***のおそれ」がついた文言が多くあります。この「***のおそれ」は英語の「may」に対応していて、「***を起しやすいこと」「***の可能性があること」を表しています。
    「***」だけの文言と、「おそれ」のついた「***のおそれ」の文言の両方がある場合には、危険有害性の程度が低い区分に「***のおそれ」型の文言が割り振られています。
    急性毒性や水生環境有害性では、一つの製品が複数の区分に分類されることがありませんから、「***」と「***のおそれ」が併記されることはありません。
    これに対して、特定標的臓器毒性では、成分Aが肝臓に影響し、成分Bが中枢神経に影響する場合のように、複数の区分に分類されることがあります。このような場合に「臓器の障害」と「臓器の障害のおそれ」が併記されることになります。
    発がん性などの有害性は、ばく露すれば必ずがんになるというものではありません。そのために、発がん性では区分1の場合に「発がんのおそれ」と記載します。「***のおそれ」型の文言が、危険有害性の程度の低いことを表すとは限りません。(発がん性の区分2の文言は「発がんのおそれの疑い」(英語:Suspected of causing cancer)です)
    危険有害性の文言には、日本語として落ち着きの良くない文言も含まれていますが、規格通りに記載することが重要です。

  • GHS分類

    原料の有害性を調べたところ、日本政府によるGHS分類結果とメーカーSDSで区分が異なっていました。製品(混合物)の有害性評価には、どちらの区分を使うのが良いでしょう?

    原則として、日本政府によるGHS分類結果を使って製品を分類することをお勧めします。
    しかしながら、供給者が、独自に各成分の有害性を適切に分類することは困難です。そこで、政府は危険有害な化学物質について、有害性を評価し、その結果をNITEを通じて公表しています。日本では、この日本政府によるGHS分類結果がSDSの標準的な分類根拠データとなっています。日本政府によるGHS分類結果を使うことにより、いつも同じ基準で製品の有害性を分類できるようになります。
    日本政府によるGHS分類結果に収載された成分については、この分類に従い、日本政府によるGHS分類結果が公表されていない物質については、メーカーSDSの分類を採用することをお勧めします。
    ただし、石油由来原料のような混合物では、メーカーSDSが精製度などを踏まえて日本政府によるGHS分類結果よりも詳細なデータに基づいて分類を行っている場合があります。このような場合には、メーカーSDSの分類がより適切であると考えられます。日本政府によるGHS分類結果以外の分類を採用する場合には、採用の根拠を明確にしておくことが重要です。

  • SDSの記載方法GHS分類

    合金素材についてSDSの提供を求められました。SDSを作成できるでしょうか?

    構成する金属の混合物として有害性を評価して、SDSを作成することができます。
    合金はGHSによる分類では、混合物と見なされます。また、混合物とは、「複数の物質で構成される反応を起こさない混合物または溶液」をいいます。従って、合金については、構成する金属の有害性を根拠に、混合物として有害性を分類して、SDSを作成することができます。液状や粉末状の製品の場合と同じです。
    ただし、合金にすることによって、危険有害性に関わる特性が、元の純粋な金属から大きく変化する場合には、そのことを踏まえて有害性を評価することが望ましいと考えます。

    ステンレス鋼を例に説明します。
    ステンレス鋼は、鉄とクロム、ニッケルなどの合金です。鉄(CAS No.:7439-89-6)は、日本政府によるGHS分類結果が公表されていません。すなわち、鉄には標準的な危険有害性分類がありません。クロム(CAS No.:7440-47-3)は、日本政府によるGHS分類結果が公表されていて、眼刺激性:区分2B、呼吸器感作性:区分1、皮膚感作性:区分1、生殖細胞変異原性:区分2、特定標的臓器毒性(単回ばく露):区分2,3に分類されています。ニッケル(CAS No.7440-02-0)は、日本政府によるGHS分類結果が公表されていて、呼吸器感作性:区分1、皮膚感作性:区分1、発がん性:区分2、特定標的臓器毒性(単回ばく露):区分1、特定標的臓器毒性(反復ばく露):区分1に分類されています。これらの区分と各金属の含有量より、ステンレスの有害性を分類することができます。
    一方で、ステンレス鋼はその名前のとおりに、非常に錆びにくい合金です。これは、ステンレス鋼の表面に薄い保護被膜が生成されるためです。保護被膜の働きにより、クロムやニッケルの人体への直接の接触は大幅に抑制されます。この影響を加味して有害性を分類することも可能です。
    ステンレスメーカーのSDSを何件か確認したところ、有害性区分に該当しないとしているものと、有害性に分類しているものとがありました。

    SDSは、使用者に化学品の危険性を正しく判りやすく伝えることが目的です。また、そのことが会社のリスク低減に繋がると考えられます。会社として方針を決めて、SDSを作成されることをお勧めします。

  • GHS分類

    混合物の有害性は、各成分の有害性区分と含有量から機械的に決めることができるのでしょうか?

    多くの場合に成分の有害性区分と含有量の情報を使って、混合物の有害性を分類します。しかし、より合理的な方法がある場合は、そちらを使います。
    GHSは化学品の危険有害性をクラス分け(分類)して、クラス毎に区分と判断基準を定めています。また、混合物の有害性は、各成分の有害性を足し合わせたものになるとの、基本的な考えに基づいて、成分の有害性と含有量から、混合物の有害性区分を定める方法を整備しています。この方法は適用範囲が広くて実用的な方法なので、多くの混合品はこの方法を使って有害性を区分します。
    しかしながら、この方法が常に最善とは限りません。より合理的な方法がある場合には、その方法によることをお勧めします。

    1. 混合物自体の有害性データが利用できる場合は、そのデータを使って分類を行います。
      混合物自体の有害性データが利用できる場合は少ないのですが、皮膚刺激性などでは、比較的容易に混合物自体のデータを得られる場合があります。
    2. 強酸性、強アルカリ性の混合物は、皮膚腐食性/刺激性と重篤な眼損傷性/眼刺激性において、pH値を使って分類を行います。強酸あるいは強アルカリのものは、腐食性があると考えられます。pHが2以下あるいは11.5以上で、酸性物質またはアルカリ性物質が1%以上の場合は、皮膚腐食性:区分1、重篤な眼損傷性:区分1に分類します。
    3. 混合により成分同士が反応する場合は、原則として成分の有害性の加成方式が適用できません。アルカリ性の液に塩酸を加えて、pHを中性に調整して、製品とする場合を考えます。塩酸には、急性毒性や皮膚腐食性の有害性がありますが、この場合は塩酸の量に応じて、加成方式で製品の有害性を評価することは不適切です。
    4. 製品の物性からして、起こる可能性が無い有害性のクラスについては、分類できないとすることが適切な場合があります。
      例えば、高粘度の液体製品については、粉じんの吸入による呼吸器障害に関わる有害性を、分類できないとするほうが適切な場合があります。(但し、硬化後に研磨加工が予定されている場合などは、有害性に分類すべきです。)
    5. 成分の有害性分類の根拠が明確であり、製品がその要件を満たし得ない場合には、分類できないとすることが適切な場合があります。
      例えば、エタノールには発がん性があることが、アルコール飲料の多くの疫学的データより明らかになっています。繰り返し飲む可能性が無い製品については、エタノールの発がん性を分類できないとするほうが適切な場合があります。
  • SDSの記載方法GHS分類

    SDSの作成に製品のpH値測定が必要でしょうか?

    強酸、強アルカリは、皮膚刺激や眼刺激を引き起こしやすいので、製品のpHを測定することをお勧めします。
    有害性の分類は、混合物自体のデータを利用できる場合は混合物のデータを使い、混合物自体のデータが利用できない場合に、成分の有害性データを利用することが原則です。 しかし、「皮膚腐食性/刺激性」と「眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性」では、少し事情が異なります。
    皮膚と眼は、強酸や強アルカリとの接触により、腐食/損傷/刺激を受けます。このことを踏まえて、混合物自体のデータが利用できない場合には、成分の有害性データの加成方式よりも、強酸・強アルカリなどのデータを優先して使用することになっています。
    具体的には、pHが2以下の酸性または11.5以上のアルカリ性であって、酸性物質またはアルカリ性物質を1%以上含む場合は、皮膚腐食性を区分1に、眼に対する重篤な損傷性を区分1に分類します。
    (分類にはpHと酸性/アルカリ性物質の含有量を使います。これは、物質含有量も皮膚腐食性/重篤な眼の損傷性に大きく影響するからです。ある種の温泉水は、pHが2以下ですが、酸性物質の量が少ないために、皮膚を腐食しません。)
    酸/アルカリを含む製品では、pHを測定することをお勧めします。

    また、フェノールなどの物質は低濃度でも、皮膚腐食性/眼に対する重篤な損傷性を示すことが判っています。このような物質を含む製品についても、通常の加成方式は適用できないとされています。ただし、対象となる物質は「酸、塩基、無機塩、アルデヒド類、フェノール類、界面活性剤のような特定の種類の化学品」として例示されているだけです。会社として、対象とする物質の範囲を決めておくことをお勧めします。

  • GHS分類

    tert-ブチルアルコールを含む製品のSDSを入手しました。絵表示が有りませんでしたが、これで問題ないのでしょうか?

    tert-ブチルアルコールの含有量が3%未満だと、SDSに絵表示が表示されない場合があります。
    化学物質の有害性は、濃度の影響をうけます。濃度が高いほど有害性が高くなり(化学物質自体の有害性に近くなり)、濃度が低くなれば有害性が低くなると考えられます。
    GHSでは、化学物質の濃度により、有害性の区分を変える仕組みを採用しています。
    tert-ブチルアルコールは、次の有害性に区分されています。

    • 眼刺激性 区分2A 濃度限界10%
    • 生殖毒性 区分2 濃度限界3%
    • 特定標的臓器毒性(単回ばく露)(麻酔作用) 区分3 濃度限界20%
    • 特定標的臓器毒性(単回ばく露)(気道刺激性) 区分3 濃度限界20%

    濃度限界未満の場合には有害性に分類できなくなりますので、製品中のtert-ブチルアルコール濃度が3%未満の場合は、SDSに絵表示が表示されない可能性があります。

  • SDSの記載方法

    SDSには成分を詳細に記載しなければならないのでしょうか?

    製品の危険有害性に影響しない成分情報は、記載しないことが認められています。
    SDSは、健康・安全・環境保護を図ることを目的とした文書ですが、企業の機密保護も重要であると考えられています。安全に関わる情報を適切に提供したうえで、企業機密を守れるように成分情報を表示することが重要です。 機密保護のポイントを以下に列挙します。

    1. 記載する成分

      混合物については、法令で記載が義務付けられている成分とGHSの危険有害性区分に影響する成分は、SDSに記載すべきです。それ以外の成分を記載する必要はありません。法規制にも、GHS区分にも該当しない製品では、SDSに成分表を記載しなくても差し支えありません。

    2. 含有量

      成分の正確な含有量を記載する必要はありません。「< 10%」や「10 - 20 %」のように、含量幅で記載できます。(法令により幅表記が認められない場合があります) なお、SDSの成分表では各成分の合計が100%になる必要はありません。

    3. CAS番号、化審法番号

      CAS番号や化審法番号は、物質の特定に役立つので記載が好ましいのですが、必須ではありません。公開しない場合は、成分表に「非公開」「CBI」「登録済」などと記載します。

    4. 名称

      正確な化学名の記載が好ましいのですが、しばしば「無機酸」「アルコール」などの一般名で記載されます。
      法規制に該当する成分は、法令名称と同等もしくはより詳しい名称の記載が必要です。

    5. 記載しない成分

      一部の成分を記載しない場合には、成分表の下に「記載なき成分は、危険有害性区分に寄与せず、国内法令によって情報伝達が求められる物質ではありません。」などと記載することをお勧めします。

  • SDSの記載方法GHS分類日本法規

    製品はメタノールを0.2%含む液体です。成分表に「メタノール」と記載したくないのですが、可能でしょうか?

    安衛法に該当するので、「メタノール」の記載が必要です。
    日本政府によるGHS分類結果は、メタノールを次の有害性に分類しています。
    「急性毒性(経口):区分4」、「眼刺激性:区分2」、「生殖毒性:区分1B」、「特定標的臓器毒性(単回ばく露):区分1、区分3」、「特定標的臓器毒性(反復ばく露):区分1」
    含有量が0.2%であれば、メタノール単独ではGHSの有害性には分類できません。
    しかし、メタノールは安衛法の「名称を表示し、又は通知すべき危険物及び有害物」に指定されていて、0.1%以上の濃度は通知の対象となります。この製品はメタノールを0.2%含むために、政令名称である「メタノール」(もしくは同等の名称)の記載が必要です。

  • SDSの記載方法GHS分類日本法規

    キシレン(CAS番号1330-20-7)には、キシレン異性体の他に、エチルベンゼンも含まれていると聞きました。キシレンを含む製品のSDSを作成するにあたって留意すべきことはありますか?

    国内向けのSDSでは、成分にエチルベンゼンを加えることをお勧めします。
    キシレン(混合体)(CAS番号1330-20-7)は、オルソ(o-)、メタ(m-)、パラ(p-) のキシレン異性体の混合物です。一般的に流通しているキシレン(混合体)には、キシレンの他にエチルベンゼンが含まれています。エチルベンゼンの含有量は、キシレン混合体の製造方法によって異なり、多い物では50%を超えます。
    キシレンとエチルベンゼンは、それぞれ次の法規制に該当します。

    • キシレン
      • 化管法:第一種
      • 安衛法:名称等を表示し、又は通知すべき危険物及び有害物
      • 安衛法有機則:第二種有機溶剤等
    • エチルベンゼン
      • 化管法:第一種
      • 安衛法:名称等を表示し、又は通知すべき危険物及び有害物
      • 安衛法特化則:特定化学物質(第二類物質)

      日本政府によるGHS分類結果のキシレン異性体混合体とエチルベンゼンのGHS分類は同じではありません。

    • キシレン
      • 急性毒性(経皮) 区分4
      • 急性毒性(吸入:蒸気) 区分4
      • 皮膚腐食性/刺激性 区分2
      • 眼刺激性 区分2
      • 生殖毒性 区分1B
      • 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1 (中枢神経系、呼吸器、肝臓、腎臓)、区分3 (麻酔作用)
      • 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1 (神経系、呼吸器)
      • 誤えん有害性 区分1
      • 水生環境有害性 短期(急性) 区分2
      • 水生環境有害性 長期(慢性) 区分2
    • エチルベンゼン
      • 急性毒性(吸入:蒸気) 区分4
      • 眼刺激性 区分2B
      • 発がん性 区分2
      • 生殖毒性 区分1B
      • 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3 (気道刺激性、麻酔作用)
      • 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2 (聴覚器)
      • 誤えん有害性 区分1
      • 水生環境有害性 短期(急性) 区分1
      • 水生環境有害性 長期(慢性) 区分2

    適切な法規制情報と危険有害性情報を提供するために、製品に含まれるキシレン(混合体)の一部がエチルベンゼンであるとしてSDSを作成することをお勧めします。
    弊社では、キシレン(混合体)の50%がエチルベンゼンであるとして、日本語SDSを作成しています。

SDS作成代行サービスについて

  • 見積り仕様

    SDS作成代行サービス費用が39,800円を超えるケースはどのような時ですか?

    2024年8月より価格改定をいたしました。
    詳細はこちらよりご確認ください

    SDS作成に必要な製品の情報をご提供いただければ、成分の数に関係なく39,800円で作成いたします。ただし、海外向けのSDS作成をご依頼で、GHS規格に定められていないお客様独自のフレーズを翻訳しSDSに追加記載をご希望の場合には、翻訳費用が別途発生致します。(翻訳が必要かについては、弊社SDS技術者がアドバイス致します。)

  • 仕様

    SDS作成を依頼するにあたり必要な情報を教えてください。

    通常はCAS番号ベースの成分情報、製品の物性値、国連番号をご提供頂ければ作成可能です。購入原料などご利用の製品や輸入品などは購入元のSDSも合わせてご提供いただく必要がございます。
    なお、SDSの作成に必要な情報の入手方法が不明のお客様は、お問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。

  • 見積り

    他社と比べて安いのはなぜですか?

    2024年8月より価格改定をいたしました。
    詳細はこちらよりご確認ください

    弊社のSDS作成業務は、最新のGHS規格、法規制、化学物質などSDS作成に必要な情報がデータベースを搭載したGHS Assistantを利用して仕向け先に対応したGHS分類の計算や該当法規情報の出力を自動化することで、正確なSDS文書を簡単に作成することが可能なため、他社と比較して低価格の39,800円(ラベル原稿は+5,200円)でSDS作成代行サービスのご提供を実現しております。

    また低価格ながら高品質を維持するため、お届けする全てのSDSは、弊社の化学知識と経験豊富を持つ複数のSDS専門技術者によってチェックを行なわれておりますので、安心してご利用いただけます。

  • 仕様

    SDS作成代行サービスで対応している仕向け先・言語について教えてください。

  • 全般

    SDS作成はどのような人が担当していますか?

    主に化学に精通した化学会社で開発経験を持つ技術者が作成を担当しています。
    詳細については、SDS作成代行サービスチームのご紹介ページをご覧ください。

  • 見積り仕様

    納期はどれぐらいですか?

    ご依頼言語や数量によって異なりますので、下記ページにてご確認ください。
    言語別標準納期

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    • 個人のお客様
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  • 見積り仕様

    25,000円でSDS作成が可能となるのは、どのような場合ですか?

    既に安価にサービスをご提供させていただいており、これ以上の値引きすることができませんが、弊社のご提供するSDS・MSDS作成ツールGHS Assistantをご採用のお客様で、作成済みのSDSデータをエクスポート機能を利用して製品の成分情報のご提供が可能な場合には、別の言語のSDSを1件につき25,000円で作成を承ります。

  • 契約

    SDS作成代行を依頼するにあたり、機密保持契約を結ぶことは可能でしょうか?

    SDS作成代行サービスの品質維持・向上のため、個別の契約書締結ではなくこちらの規約を制定しております。規約内に秘密保持についても記載がありますのでご確認ください。
    SDS作成代行サービスの規約はこちら

  • 仕様

    SDSの翻訳(和訳・英訳など)していただく事は可能でしょうか?

    SDS文書は、仕向け先の法規、規格に準拠する必要があります。従って文章全体を単純に翻訳した場合、利用する国の法規、規格に準拠しないSDS文書となる恐れがありますので、弊社ではSDSを単純に翻訳する作業を承っておりませんが、入手済みのSDSをご提供いただければその情報に基づいて適切な文章を作成致します。また、製品の取扱いに対する記述や独自の測定結果、根拠などを翻訳し記載することは可能です。※独自フレーズの翻訳は別途費用が掛かります。

  • 仕様

    ラベルのみの作成はしていただけますか?

    SDS作成のご依頼とセットでご注文のみラベル作成いたします。SDSとラベルの記載内容は合致させる必要があります。弊社SDSサービスでは先ずSDSを作成し、その記載情報を引用してラベルを作成いたします。したがってSDSとラベルをセットでご依頼いただくことになります。

  • 仕様

    ラベルはデザインも含まれますか?

    ラベル用の原稿のみをお渡しいたしますので、デザインは印刷業者様等へ別途ご依頼していただく必要があります。

  • 仕様

    過去に作成を依頼したSDSを最新法規に対応した内容に更新していただくことはできますか?

    新規にご注文いただくことになりますが、改訂版を発行することは可能です。

  • 見積り仕様請求

    個人でもSDS・MSDSの作成依頼をすることは可能ですか?

    個人のお客様については、先払いにてお願いしております。お振込の確認がとれましたら、SDS作成に着手致します。

  • 全般仕様

    SDS・MSDSのサンプルはありますか?

    SDS・MSDSのサンプルページで各言語別のSDSサンプルを公開しています。

GHS Assistantに
ついて

  • 全般

    パソコン操作に不安がありますが、GHS Assistantを使えますか?

    GHS AssistantはWebブラウザを使ってパソコン上で操作するソフトです。パソコンを使って通常業務が行える程度のスキルは必要です。

  • 全般

    SDSのことを知らなくてもGHS Assistantは使えますか?

    GHS Assistantを使って適切なSDSを作成するには、化学品の危険性/法規制/関連規格や化学的な基礎知識が必要です。基礎知識については、SDS基礎知識からご確認ください。
    また、オンラインセミナーからもご確認いただけます。

  • 仕様

    GHS Assistantで対応している言語・規格・法規・根拠データ等について教えてください。

    対応言語については、こちらのページの「多言語対応」からご確認下さい。 規格、法規等については 主なご提供データの表をご覧ください。

  • 仕様

    法規情報の更新頻度はどのぐらいですか?

    通常は2ヵ月から3ヵ月に1度程度配信しておりますが、重要な法改正があった場合などは定期的な更新とは別に、配信することもございます。

  • 仕様

    バージョンアップはどのようにするのでしょうか?

    GHS Assistantは2ヶ月~3ヶ月に1度の頻度で、最新データと最新プログラムが一体になった、更新プログラムのインストーラーを配信しております。
    インストーラーは、お客様専用のサポートサイトよりダウンロードしていただきます。
    お客様がGHS AssistantのPC/サーバーでインストーラーを実行することにより、最新データが反映される仕組みになっております。
    GHS Assistantをご利用のPC/サーバーからインターネットにアクセスできない場合は、他のPC上でインストーラーをダウンロードし、GHS AssistantのPC/サーバーへ移動させてから実行いただくことも可能です。

  • 仕様

    自社独自のカスタマイズに対応してもらう事は可能ですか?

    GHS Assistantは汎用ソフトです。お客様毎のカスタマイズには対応しておりません。ただし、お客様からいただいたご要望が汎用的に多くのお客様にもご利用いただけると判断した場合、機能の追加、改善を無償にて対応させていただくことがございます。

  • 仕様

    パーソナル版とはどのようなものですか?

    パーソナル版とは、パソコンにGHS Assistantをインストールします。インターネットにつながなくても社内システムから独立した状態でご利用いただけます。パソコン1台でSDSを作成する、1アカウントタイプです。

  • 仕様

    サーバー版とはどのようなものですか?

    サーバー版とは、GHS Assistantをインストールしたサーバーを貴社のLANに接続させます。社内LANに接続した全ての業務用パソコンでご利用いただけます。使用に際して、GHS Assistantがインターネットに接続することはございません。複数アカウントタイプです。

  • 仕様

    GHS Assistantのユーザーインターフェイスは何を使っていますか?

    Webアプリケーション方式を採用しています。画面操作はWEBブラウザーを介して行います。推奨ブラウザはGoogle chrome、Microsoft edgeです。

  • 仕様

    SDSのファイル出力形式はどのタイプに対応していますか?

    PDF形式とRTF形式です。RTF形式の文書は作成後に、Microsoft Wordなどのオフィスソフトでお客様の編集が可能です。

  • 仕様

    法規制情報を追加して自動出力することは可能ですか?

    3法(化管法、安衛法、毒劇法)についてはお客様の法規制データを追加し、自動出力することができます。
    なお、弊社がデフォルトで提供している法規制情報は変更できません。

  • 仕様

    SDS出力項目や出力様式の変更はできますか?

    各国のSDS作成ルールや、お客様の意向に沿った出力項目、出力様式を設定することができます。
    なお、フォントやフォーマットを指定してファイルを出力することはできません

  • 仕様

    GHS Assistantソフトウェアは、ソフトウェアバージョンアップや情報収集のためにアサヒグラフィックや外部に設置されたサーバーからお客様サーバーへ通信することはありますか?

    GHS Assistantアプリケーションは、更新情報や法規制情報など操作画面上に設置された外部サイトリンクを除き、外部のサーバーと通信することは一切ございません。

  • 機能

    発行済みのSDSを現在の法規に合わせて改訂を行ないたいが可能ですか?

    GHS Assistantには改訂機能が標準装備されていますので、常に発行済みSDSを最新の状態に改訂が可能です。

  • 機能

    NITE公表データとは別に自社で測定した分類結果、根拠データ等を優先的に利用することは可能ですか?

    可能です。分類区分や根拠データの書き換え機能をご用意しております。

  • 機能

    GHS Assistantでラベルを作成することはできますか?

    GHS Assistantはラベル現品を作成することはできませんが、ラベル記載項目をSDSから抽出したラベル原稿作成、CSVファイル出力は可能です。
    また、CSVエクスポート機能をご利用いただくことにより、CSVインポートできるラベルソフトならば、お使いいただけます。

  • 機能

    ラベル注意書きの絞り込み機能はありますか?

    NITE-Gmiccsの注意書き絞り込み表に準拠した、絞り込み機能を搭載しております。

  • 機能

    ラベルソフトと連携することは可能ですか?

    GHS Assistantには、ラベルデータCSV作成機能が実装されています。また、Seagull Scientific社のラベルソフト「BarTender」と連携してシームレスにラベル発行することも可能です。代理店紹介を希望でしたらご連絡ください。

  • 機能

    SDSの配布管理機能はありますか?

    サーバー版では配布管理機能をお使いいただけます。どのSDSをいつ、どの顧客に配布したか記録・管理することができます。

  • 機能

    SDSのアクセス管理はできますか?

    サーバー版では、アカウント毎にアクセス権限を管理することができます。例えば営業の方には閲覧の権限、管理職の方には作成、承認の権限を与えるなど、社内管理体制に合わせて権限を設定できます。

  • 機能

    バックアップ機能はありますか?

    パーソナル版:手動でバックアップを行っていただきます。一定期間バックアップが実行されていない場合、メッセージが表示されます。
    サーバー版:バックアップスケジュールを設定いただけます。曜日や時間で指定が可能です。

  • 機能

    言語と法規が揃わないSDSを作成できますか?

    環境設定と初期設定の設定を変更することで、日本法規英文SDSなどの言語と法規が揃わないSDSを作成することが可能です。
    弊社では現地言語、現地法規を揃えた状態でSDSを作成することを前提に、システム設計を行っております。 法規と言語が一致していないSDSについては、 以下の点をご理解の上ご利用いただきますよう何卒宜しくお願い申し上げます。

    • 各言語の表示・出力について、その根拠を担保した形での翻訳のご提供はいたしかねます。
    • 一部、操作画面が不完全な部分がございます。
  • 機能

    SDSに会社のロゴマークを入れることができますか?

    可能です。会社ロゴ登録機能がございます。登録するとヘッダーに出力することができます。

  • 機能

    原料に社内管理コードを付けて管理しています。SDS作成に社内管理コードを利用できますか?

    原料コード機能をご利用いただけます。複数成分からなる原料の成分情報を原料コード(=社内管理コード)に予め登録することで、社内管理コードを用いてSDSを作成することが可能になります。

  • 機能

    SDS作成の際に、会社固有フレーズを入れることができますか?

    可能です。各章各節に会社固有フレーズを自由に入力することができます。また、良く使うフレーズに関しては、あらかじめ登録しておくことで、都度入力する手間を省くことができます。(登録文例機能)
    また、既存のフレーズを修正して利用することも可能です。(出力文章編集機能)

  • 機能

    SDS作成の際に、フレーズを一括出力することはできますか?

    可能です。フレーズに対して製品カテゴリコード(製品群別のキーコード)を事前登録します。SDS作成にキーコードを入力することにより、事前登録したフレーズを一括選択、出力することが可能になります。作業効率化と、選択ミス防止に役立ちます。(製品カテゴリ機能)

  • 機能

    SDSを一括作成をすることはできますか?

    可能です。CSVデータのインポート機能によるSDSの一括作成機能がございます。ただし、一括作成後に、1SDSごとに内容を御確認されることをお勧め致します。

  • 機能

    ユーザー登録情報をインポートすることはできますか?

    システムに登録がない成分やCAS No.のない成分、独自情報をお持ちの成分を登録する、ユーザー化学辞書一括インポート機能
    複数成分からなる中間体を登録する、原料コード一括インポート機能
    貴社ならではのフレーズを登録できる、登録文例一括インポート機能
    をお使いいただけます。

  • 機能

    SDSデータを全てCSVで出力することは可能ですか?

    全てを出力することはできません。ただし、項目によってはエクスポートすることが可能です。
    例:成分情報、危険有害性の要約、適用法令など

  • 試用

    試用をしたいのですが、どうすればよいですか?

    まずは、こちらのページよりセミナーをご視聴ください。

    試用の概要および試用申込みはこちらのページよりご確認ください。

  • 初期費用見積り

    GHS Assistantのサブスクサービス(サブスク利用)の見積がほしいです。

    お見積りに関しては、GHS Assistantを試用をしていただき、貴社のご状況やご要望などをお聞きし、導入のご検討が進んだ段階でお出ししております。
    なお、月額費用はこちらのページでご確認いただけます。

  • 見積り契約請求

    支払いは月毎支払いか、年毎支払い、どちらですか?

    どちらでもお選びいただけます。

  • 導入

    サーバー版を導入するにはどのような準備が必要ですか?

    • Windows Server OS搭載のサーバー及びライセンスは、貴社にてご準備下さい。
    • セットアップは、貴社にて実施をお願いいたします。(マニュアルがございます)

    システム要件については以下をご参照ください。
    GHS Assistant導入フロー・システム要件

  • 導入

    パーソナル版を導入するにはどのような準備が必要ですか?

    • PCについては、貴社にてご準備下さい。
    • セットアップは、貴社にて実施をお願いいたします。(マニュアルがございます)

    システム要件については以下をご参照ください。
    GHS Assistant導入フロー・システム要件

  • 導入

    システムを導入したいのですが、どうすればよいですか?

    GHS Assistant導入方法のページをご覧ください。

  • 導入

    導入時のパソコン/サーバーセットアップはどのようにするのでしょうか?

    お客様にてセットアップを実施していただきます。
    セットアップ手順書、インストーラーは契約後にお届けする専用URLよりダウンロードしていただきます。

  • 導入

    サポート体制はどうなっていますか?

    弊社サポート体制の主な特徴は以下の通りです。

    1. GHS 試用体験会での実演動画をプレゼントします。
      導入後、いつでも復習ができるので担当者が変更になった際も安心です。
    2. GHS Assistant オンラインサポートサイトへアクセス可能です。
      FAQや弊社開催のオンラインセミナーをいつでもご覧いただけます。
    3. 専任の技術者が、GHS Assistantの操作方法、設定等のアドバイスします。
    4. 外部講師による、SDSや法規に関するセミナーにも参加いただけます。
      SDSの基礎知識への理解を深めていただく機会を提供します。
    5. 未契約の言語のSDS受託作成を割引価格で承ります。
  • 導入ハード

    サーバー版はシンクライアントでも利用可能ですか?

    WEBアプリケーションですので貴社内に設置したGHS Assistantサーバーへアクセスできればご利用可能です。

  • 導入ハード

    パーソナル版のパソコンを準備する場合に、競合するミドルウェア製品はありますか?

    SQLサーバーやMYSQLなどデータベースを利用するソフト全般は、パフォーマンスに影響いたします。

  • 導入ハード

    サーバーを用意する場合、必要とするミドルウェアは何でしょうか?

    Apache、PHP、PostgreSQLのミドルウェアをインストールいたします。

  • 仕様導入ハード

    パーソナル版のデータ保管場所はどこですか?

    パソコンにデータを保管する仕様になっております。場所を変更したい場合は、一度パソコン内にデータを保管した後、移動させてください。

  • 導入ハード

    利用するのに必要なパソコン/サーバーのシステム要件を教えてください。(パーソナル版/サーバー版)

    推奨スペックについては GHS_Assistant_導入フロー(システム要件)をご確認ください。

  • 導入後

    契約途中で、パーソナル版のパソコンを変更することはできますか?

    可能です。

  • 契約導入後

    導入後、言語を追加することはできますか?

    導入した後に他言語追加することができます。1ヶ月等短期間での追加ご予定の場合は「言語追加試用サービス」をご利用いただければリーズナブルに他言語をお試しいただけます。(合計ご利用期間が6か月を超える場合は通常の言語追加となります)。
    言語追加試用サービスPDF

  • 契約導入後

    サーバー版からパーソナル版、または、パーソナル版からサーバー版に変更することはできますか?

    可能です。切替スケジュールを弊社担当が確認させて頂いた後、弊社よりセットアップ一式を送付し、お客様で切り替え作業をしていただけます。

  • 解約

    解約時にデータベースから直接登録データをエクスポートすることは可能ですか?

    データベースから直接のエクスポート対応はしていません。CSVエクスポートで一部データは出力可能です。なお、作成済みSDS文書ファイルは全件エクスポート可能です。

  • 契約

    契約期間はありますか?

    最低契約期間としては1年間となりますが、その後は自動更新となります。解約する場合は解約する3ヶ月前にご連絡をいただく必要がございます。なお、新規導入のお客様に限り、契約開始後1ヶ月の間の解約を承っております。

  • 導入ハード

    仮想サーバーやクラウドサーバー上での運用は可能ですか?また実績について教えてください。

    GHS AssistantはWindowsサーバーOS環境でしたら、システム要件に準ずる社内ネットワークに接続された仮想サーバーやIaaSを利用したクラウドサーバーで問題なく動作いたします。
    また下記のサーバーで稼働実績がございます。これまでにトラブルのご報告はございません。

    サーバー環境実績

    • 仮想サーバー:Hyper-V, VMWareなど
    • クラウドサーバー:Microsoft Azure, Amazon AWSなど
  • 契約

    利用にあたり契約書や規約の内容を事前に確認できますか?

    本サービスは規約に同意頂くことでご利用いただけます。GHS Assistantの利用規約はこちらとなります。
    GHS Assistant利用規約

  • 契約

    GHS Assistantを利用するにあたり秘密保持契約を締結することはできますか?

    GHS Assistantをお客様にご利用いただいた後、弊社がお客様のデータを閲覧することは出来ません。またそのような仕様になっておりません。そのためGHS Assistantご利用のお客様との秘密保持契約の締結は通常しておりませんが、ご希望があればその背景をお伺いした上で対応させていただきます。

  • 請求

    請求・支払いサイクルを教えてください。

    原則ご利用前月にご請求書発行、ご利用月末までにお支払い頂くサイクルとなっております。
    ご利用初月は、初月および翌月のご請求となります。ただし、事前にお客様のお支払いサイクルをご教示いただければ、上記サイクル外でも経理側で対応可能となる場合もございます。

    なお、ご利用初月分は、2~10日、 11~20日、 21日以降 の各期間ごとで日割り計算でのご請求となります。詳細についてはお見積り時にご確認ください。

  • 契約請求

    請求や契約の窓口を代理店にしたいのですが対応可能ですか?

    原則GHS Assistantについてはご利用頂くお客様との直接契約、窓口をお願いしております。理由といたしましては、ご利用時に具体的かつ正確なご質問を受けること、またそれに迅速に適切な回答をすることで、ご活用度合いが上がると考えているからです。しかしどうしても会社の体制として代理店様等を挟む必要がある場合は、ご利用いただくお客様との窓口、直接のやりとりをお約束させていただいた上で事務的な手続きのみを代理店様経由でさせて頂くことになりますのでご相談ください。

  • 試用

    何名でも試用は可能でしょうか?

    GHS Assistantの試用につきましては、原則的にパーソナル版をご提供します。IDが1つとなりますので、一度に試用可能な人数は1名となります。サーバー版ならではの機能(ワークフロー、配布管理、アクセス権限等)にご興味がある場合は、担当営業にご相談ください。

  • 導入後

    GHS Assistant利用をしている間、SDS作成代行サービスと合わせて利用はできますか?

    可能です。GHS Assistantで作成したSDSを元として、契約外の言語のSDSを作成する時などにご利用いただけます。
    その際、元となるSDSのデータをGHS Assistantから出してご依頼いただければ割引料金で受託作成がご利用いただけます。(割引価格適用は上限件数はございます)

  • 解約

    解約の申し出の期限はありますか?

    解約ご希望月の3カ月前までにお申し出ください。

  • 解約

    半年で解約はできますか?

    ご契約の際には最低1年以上のご利用を前提としてご契約いただいております。
    新規ご契約の際には、ご利用開始後の1ヶ月間は解約可能期間としておりますが、1ヶ月だけのご利用を前提としたご契約はお断りしております。

  • 解約

    解約後に再契約することはできますか?

    解約後1年間は、当社の承諾がない限り、再契約ができません。 再契約の場合は、前述の1ヶ月間の解約可能期間は設けず、1年以上の継続利用を前提としてのご利用をお願いしております。

  • 解約

    GHS Assistant利用を解約した後、SDS作成代行サービスの利用はできますか?

    可能です。GHS AssistantとSDS作成代行サービスは別サービスですので、それぞれ別でご利用いただけます。

注意事項

※弊社ではコンサルタント業務は行っておりません。
下記FAQに記載している以上の詳細やアドバイスなどについてはお答え出来かねます。
受託作成サービスではお客様からご提供いただいた情報をもとにSDSを作成いたしますが、弊社はお客様のSDS作成をサポートする立場になりますので、最終的な判断は貴社にてお願いいたします。

弊社でお受けいたしかねるご質問の具体例
  • 弊社の製品は「劇物」に該当するのでしょうか?
  • 製品が「劇物」に該当する場合、製品供給者にはどのような対応が求められるのでしょうか?
  • 他社のSDSを確認したところ、含有成分が法規に該当していました。弊社の製品においても、同成分を法規に該当すると判断してよろしいでしょうか?
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