JISと日本の法規の関係 ― SDS(安全データシート)制度を支える法的枠組み
2025.06.05
JISと日本の法規の関係 ― SDS(安全データシート)制度を支える法的枠組み
JIS(日本産業規格)は、日本国内の化学物質管理に関わる複数の法律と密接に連携しています。これらの法律は、SDS(Safety Data Sheet/安全データシート)やラベル表示の適正な運用を義務づけ、JIS Z 7252およびJIS Z 7253がその基盤として機能します。以下では、主要な3つの法令との関係を示します。
化管法・安衛法・毒劇法との関係
各法令は目的・対象範囲が異なりますが、共通してGHS準拠(JIS Z 7252/7253)の情報伝達を土台に、SDS・ラベルの整合を求めています。
(a) 化管法(特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律)
◆SDSの記載項目拡大
化学物質の情報提供を強化するため、GHS対応の16項目でSDSを整備(第3条趣旨)。
◆ラベル表示
事業者には、JIS Z 7253(GHSに基づく情報伝達)に準拠したラベル表示の実施が求められます(第5条趣旨)。
◆自主的管理
取扱事業者は、JIS Z 7252(分類)およびJIS Z 7253(情報伝達)に従い、自主的なリスク管理とSDSの適正運用を実施(第4条趣旨)。
(b) 安衛法(労働安全衛生法)
◆SDS交付義務
危険有害性を有する化学品の譲渡・提供時に、SDSの提供とラベル表示が義務。
◆リスクアセスメント
労働者の安全確保のため、危険物・有害物に関するリスクアセスメントを実施(法第57条の3)。
◆対象物質の拡大
GHS分類に基づき、物理化学的危険性・健康有害性が確認された物質にも、ラベル表示・SDS交付を適用。これにより、職場の化学物質管理が体系化・国際整合化。
(c) 毒劇法(毒物及び劇物取締法)
◆情報提供義務
昭和47年にラベル表示義務を導入、平成12年(2000年)以降はSDS交付義務も追加され、統一的な安全情報伝達を担保。
◆JIS Z 7253準拠
平成24年(2012年)のJIS Z 7253改訂以降、同規格に準拠したSDSおよびラベル表示が実務上強く要請され、企業はGHS準拠の情報管理体制を整備。
【まとめ】
JISと日本の主要法規(化管法・安衛法・毒劇法)は、いずれもSDSの整備と運用を中核に据えています。これらの制度が連携することで、環境保全・労働安全・消費者保護を目的とした包括的な管理体系が確立されています。
また、JIS Z 7252/JIS Z 7253に基づくSDSの作成・提供・更新は、法令遵守の基盤であり、化学物質管理の国際標準化を支える重要な仕組みです。
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