ラベル表示による情報伝達の記載項目 ― 化学品の危険有害性を正確に伝えるために
2025.06.05
ラベル表示による情報伝達の記載項目 ― 化学品の危険有害性を正確に伝えるために
化学品のラベル表示(GHSラベル)は、製品に含まれる物質の危険有害性情報を正確かつ分かりやすく伝えるために極めて重要な役割を果たしています。ラベルはJIS Z 7253(GHSに基づく化学品の危険有害性情報の伝達方法)に基づき、以下の主要項目が定められています。
注意喚起語(Signal Words)
◆目的
化学品が持つ潜在的な危険有害性を取扱者に警告し、その重大性の程度を知らせます。
◆種類
- 危険(Danger): 重大な危険有害性がある場合
- 警告(Warning): 重大性が比較的低い場合
◆選定
各危険有害性クラスおよび区分に応じて適切に使用し、ラベル上ではいずれか一つを表示します。
化学品の名称(Product Identifier)
◆目的
製品の識別を明確にするために表示します。
◆内容
SDS(Safety Data Sheet)に記載された正式な製品名を使用し、ラベルとSDSの情報を一致させます。
危険有害性情報(Hazard Statements)
◆目的
該当化学品の危険有害性の性質や程度を明示します。
◆特徴
- 各危険有害性クラス/区分に割り当てられた標準化定型文を使用
- Hコードは管理用の符号であり、ラベル上ではコード単独の表示は不可(対応する日本語文言を記載)
絵表示(Pictograms)
◆目的
危険有害性を視覚的に伝達します。
◆形式
- 正立した正方形の背景に黒いシンボル、赤い枠で囲む形式
- サイズは最低1cm²以上(実運用では視認性に配慮して適切に拡大)
◆参照
具体的なデザインやシンボルはGHSで定義された各危険有害性クラスに基づきます。
注意書き(Precautionary Statements)
◆目的
ばく露防止、保管、取扱い、緊急時対応、廃棄におけるリスク低減のための推奨措置を示します。
◆特徴
- 推奨措置はPコードで管理されるが、コード単独表示は不可(対応する定型文を記載)
- 冗長を避け、意味が重複する文言は絞り込む
供給者を特定する情報(Supplier Identification)
◆目的
供給者・製造者の連絡先を明示し、緊急時や問い合わせ時の対応を円滑にします。
◆内容
- 企業名、住所、電話番号等
- 必要に応じて窓口のメールアドレスや緊急電話番号を併記
【まとめ】
これらの項目はすべて、JIS Z 7253およびGHS基準に基づいて統一されています。正しいラベル表示を行うことで、化学物質の安全管理・事故防止・国際取引における信頼性向上が実現します。
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