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初心者必見!SDSの基礎のキソ
GHS

GHSとは(概要)

2025.05.30

GHS(Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals) は、
化学品の危険有害性に関する分類および表示に関する国際的な調和システムです。
その目的は、化学品の危険有害性情報を全世界で統一して伝えることにより、人の安全・健康および環境の保護を図ることです。

 

■背景と導入経緯

  1. 背景
    • 近年、多様な化学品が世界中で広く利用されており、その中には人や環境に対する危険有害性を持つものも多く含まれます。
    • 化学品の危険性に関する情報は国や機関によって異なり、同じ化学品でも異なる危険有害性が表示されることがあります。
    • こうした状況では、化学品の安全な使用・輸送・廃棄が困難であり、国際的な統一基準の必要性が高まりました。
  2. 国際的な取り組み
    • 2003年7月に、国連経済社会理事会において「化学品の分類および表示に関する世界調和システム(GHS)」の実施促進のための決議が採択されました。
    • GHSの基本となる文書は、国連GHS文書「化学品の分類および表示に関する世界調和システム」(通称「パープルブック」)であり、2年に1回改訂されます。

 

■GHSの基本構成と内容

  1. GHSの構成
    • 国連GHS文書は、4部構成の本文と10の附属書から成り立っています。
    • 本文には以下の内容が含まれます:
      • GHSの目的、範囲、適用や定義
      • 物理化学的危険性
      • 健康に対する有害性
      • 環境に対する有害性
      • ラベル要素や分類および表示に関する一覧表
  2. 分類と情報伝達
    • GHSは以下の3つの主要なハザード分類基準を含みます:
      • 物理化学的危険性(爆発物、可燃性など17項目)
      • 健康に対する有害性(急性毒性、発がん性など10項目)
      • 環境に対する有害性(水生環境有害性など2項目)
    • 危険有害性情報は、ラベルやSDS(安全データシート)を通じて伝達されます。

 

■GHSの目的と適用範囲

  1. 目的
    • 化学品の危険有害性に関する正確な情報を提供し、それを取り扱うすべての人々の安全と健康、ならびに環境の保護を実現すること。
  2. 適用範囲
    • GHSは、危険有害性を有するすべての化学品に適用され、事業者間の取引時にSDSを提供することが求められます。

 

GHSは、国際的な化学品の安全管理における重要な枠組みであり、その正確な理解と適用が、職場や環境におけるリスク低減に寄与しています。

 
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参考文献

https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/anzen/dl/131003-01-all.pdf

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