AIに聞いてみた|SDSのAI翻案・自動翻訳で注意すべきこと
2026.05.21
最近は「とりあえずAIに聞いてみる」という行動が、業務の中でもすっかり当たり前になってきました。
では、SDS(安全データシート)をAIで翻案すること、たとえば日本語のSDSを英語などの海外言語へ自動翻訳・翻案することについては、AIはどのように答えるのでしょうか。
実際に、AIにこんな質問を投げてみました。
「SDSをAIで翻案・自動翻訳しても問題ありませんか?」
■ AIの回答(要点)
AIの回答を整理すると、次のようなポイントが挙げられました。
- SDSの翻案は、単なる言語変換ではなく、内容の取捨選択や解釈を伴う判断工程を含む
- 法規・規格・用語などの前提条件が揃っていない場合、不備が生じやすい
つまりAI自身も、「SDSの翻案は、機械的な翻訳とは性質が異なる」という認識を示していることになります。
※なお、AIの回答は、質問の仕方や前提条件、利用するAIの種類やバージョンによって変わることがあります。本記事で紹介している内容は、あくまで一例として整理したものであり、常に同一の回答が得られることを保証するものではありません。
■ AIが言う「判断工程」とは何か
ここでAIが指摘している「判断工程」とは、たとえば次のような作業です。
- どの国・地域の法規や規格を前提にするのか
- どの用語・表現が適切か
- 情報の補足や調整が必要かどうか
これらは、SDSの内容を理解したうえでの専門的な判断を伴う作業です。
AIは文章の生成や整理を得意としますが、前提条件が曖昧なままでは適切なSDSを保証できないことも、AI自身が認めていると言えます。
■ AIが想定するSDS翻案のリスク
さらにAIは、SDSをAIで翻案した場合に想定されるリスクとして、次のような点を挙げていました。
- 通関時にSDSの記載内容を確認され、貨物が止まる可能性
- 輸入国の法規・規格と合致せず、修正や再提出を求められる可能性
- その結果、海外取引や納期に影響が出る可能性
いずれも、SDSの前提条件や判断が十分でない場合に起こり得る、実務上のリスクです。
■ そもそもSDSとは何か ― AIの整理
AIはSDSについて、次のようにも整理しています。
SDSは、対象となる製品について、適用される法規・規格・言語を揃えたうえで作成される判断文書である
この整理からも分かるとおり、SDSは単なる翻訳文書ではなく、最終的な判断と責任は人が担うことを前提として作成される文書です。
■ AIに聞いてみた結果、見えてきたこと
AIはとても便利ですが、SDSのように法規・規格や前提条件を揃えたうえで作成される文書については、「AIに任せれば大丈夫」と考える前に、一度立ち止まって考える必要があると思います。
■ GHS Assistant について
GHS Assistant では、対象となる法規や規格、使用言語といった前提条件を揃えたうえで、SDSの作成・翻案を行うことができます。
判断を支える仕組みとして、ぜひご検討ください。
参考文献・関連リンク
- SDS(MSDS)のサンプル(見本)はこちら
- SDS作成代行サービスについてはこちら
- GHS Assistantの詳細はこちら
- 中国向けSDSは「翻訳」だけではNG?日本法規ベースのSDSを中国法規準拠の中文SDSにする方法
- SDSの国連番号はなぜ変わるのか ― 英文SDSと日本語SDSで番号が異なる理由